Independence〔インディペンデンス〕―境界の先―


美春に集まる好奇の目は、まだまだ消えそうに無いようだ。


「えっと、美春ちゃん?だよな。俺神崎雪っていうんだよろしく!」
「よろしく」
「俺さぁ雪っていう名前じゃん?だからよく女子と間違えられてさぁバリバリ男なのになっ」
「そうですね」
「敬語とかいいって!少なくとも一年間一緒のクラスなんだし」
「そうね」
「……」
「あはは!フラれてるー!」
「うるせー!まだ告ってねーぞ!」
「告るつもりだったのか」


取りつく島もない美春の対応に雪の心が折れかけたところで、クラスメイト達からのヤジが飛ぶ。そんな様子を見てもとくに美春の表情は変わらなかった。
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