ウサギの王子に見初められ。


「送ってくれてありがとう」

「どういたしまして。真奈ちゃん、お誕生日おめでとう」

見送ろうとしたら、三上くんが小さな袋を渡してくれた。



「え、プレゼント?」

「ごめん、そう言うほどのものじゃないんだけど。さっき慌てて用意したから」

気まずそうに言う。えー? 電話で言ったから?



どうしよう、恥ずかしい。催促したみたいになったのかな、そんなんじゃなかったのに。

「開けていい?」

「うん」

金属製のブックマークとのハンカチが入っていた。どちらもかわいい小鳥モチーフ。

「かわいい!私が小鳥好きって知ってた?」

「ペンとかスマホカバーとか、鳥だったかなと思って」

「すごい、さすが三上くん。ありがとう、こういうの好きなの」

ほんとすごい。シャーペンのトップについてる飾りは特に気に入ってるんだけど、あれ小鳥だって気づいてる男の人、開発には他にいないと思うよ。



「ほんと?よかった。ちょっと好みと違うとかがあるかと思って、緊張した」

「そんなことないよ。プレゼントもらえるなんて思ってもないから、どんなのでも嬉しいし、それにほんとにかわいいよ」

金色でトップに小鳥のチャームがついている曲線型のブックマーク。手帳に挟もうかな。すごいかわいい。



三上くんは「大したものじゃないけど、使ってくれるとオレも嬉しいよ」とまた少し恥ずかしそうに言って帰って行った。

< 21 / 67 >

この作品をシェア

pagetop