ある夏の思い出〜よつばの約束〜
電車などを使ってなんばグランド花月につき、チケットを購入して入った。
「彰人、楽しみだね」
初めての体験。しかもなかったはずの。楽しみで仕方がない。
「そうだな」
席についてしゃべっていたとき、端に座っていた私の隣に50代くらいのおばさん集団がやってきた。
彼女たちは嬉々として大きな声でしゃべっていた。
「今日は新喜劇どんなやろな!」
「佐々木さん、そりゃみんな気になっとるで!」
「花岡さんの言うとおりやわぁ、うちも楽しみでしゃーない」
「なに言ってんねん、吉本さんなら今日の吉本新喜劇どないなんか分かっとんとちゃうの?」
「なんでやねん!」
おばさん集団の、関東では聞けない大阪弁とただの会話なのに漫才っぽいのを新鮮に聞いていたとき。
一番端の、幸私の隣のおばさんが、私が座っている席にカバンをぽいっと置いた。
–––そうだった。
楽しすぎて、幸せすぎて忘れていた。
見れないんだ–––
気がつくと、彰人は私を立たせて彼の後ろに引っ張り、おばさんの前に立っていた。
「彰人、楽しみだね」
初めての体験。しかもなかったはずの。楽しみで仕方がない。
「そうだな」
席についてしゃべっていたとき、端に座っていた私の隣に50代くらいのおばさん集団がやってきた。
彼女たちは嬉々として大きな声でしゃべっていた。
「今日は新喜劇どんなやろな!」
「佐々木さん、そりゃみんな気になっとるで!」
「花岡さんの言うとおりやわぁ、うちも楽しみでしゃーない」
「なに言ってんねん、吉本さんなら今日の吉本新喜劇どないなんか分かっとんとちゃうの?」
「なんでやねん!」
おばさん集団の、関東では聞けない大阪弁とただの会話なのに漫才っぽいのを新鮮に聞いていたとき。
一番端の、幸私の隣のおばさんが、私が座っている席にカバンをぽいっと置いた。
–––そうだった。
楽しすぎて、幸せすぎて忘れていた。
見れないんだ–––
気がつくと、彰人は私を立たせて彼の後ろに引っ張り、おばさんの前に立っていた。