ある夏の思い出〜よつばの約束〜
『もう少し時間がほしい』


そう強く願っている魂がいた。


何のために、俗世に戻る。普通の生物は皆新たな世界に希望を抱いてこの門を通って行った。


「–––おい」

「はい、どうしました?」

「あの魂はなんだ?俗世に戻りたいと願っているが」

「さぁ…変わり者ですね」

「それくらい分かる」

「そうですね…まぁ貴方に分からないこと、私のような者に分かるわけがございません」

ミカエルは微笑んだ。

「どう致しますか、我が君。あの魂の願いを聞き届けるのですか?」
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