なくした時間にいてくれた
進んでいくこと
病院から帰ってきたら、母は買い物に出掛けているようで誰も家にはいなかった。

リビングのソファに座って持って帰ってきた手紙をテーブルに置く。

祐介くんのところで読んで、祐介くんにも見てもらおうと思ったけど、祐介くんのお母さんとお祖母さんが来てしまったので、私は帰ってきた。

祐介くんのところにはまた明日も朝から行くつもりだから、その時に読んでもらおう。

お湯を沸かして、紅茶を入れてから、手紙を読んだ。手紙は三枚入っていた。花実が手紙を残しているとは思わなかった。花実は何も感じて手紙を残してくれたんだろう。

その手紙は封筒と同じで『お姉ちゃんへ』から始まっていた。手紙の筆跡は花実のものでノートの途中から書いてある字と同じだった。


『お姉ちゃんがこれを読んでいるということは、私は死んじゃったのかな。
元に戻ったら、お姉ちゃんが気付く前に本から取り出そうと思って挟んだんだけど。
私が取り出せなくてお姉ちゃんが読んでいるということはやっぱり最悪なことが起きてしまったんだよね』
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