なくした時間にいてくれた
繋げていくこと
10月に入り二週間が過ぎて、今日は文化祭。相変わらず私はお姉ちゃんとして過ごしている。

三年生は受験生ということでクラスでの催し物はなく、当日回るだけ。

お姉ちゃんとして生きてから一か月が経っていたけど、岡くん以外に話をする人がいない私は一人で図書室に来ていた。校内は全体的に騒がしいけど、ここだけは違う世界のように静かだ。

岡くんに話した日からネットや本で元に戻れる方法がないか探したけど、非現実といえるこの事態に解決策は見つからない。

参考に出来るものが何もなく……私たちは途方に暮れて、私の体が目覚めるのを待つことにした。目覚めて、お姉ちゃんの意識が私の中にあるのかどうかを確認出来ないことには何も出来ない。

いつ目覚めるか分からないけど。


「松本さん、やっぱりここだったんだ。回らないの?」

「うん。一人で回っても楽しくないし、読みたい本があるから。午後には早退しようかと今考えていたところ」

「俺と回る?」

「ううん、いい。岡くんは友達と回っているんでしょ? 今もこんなところに来てたら……探しているんじゃない?」
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