なくした時間にいてくれた
「お父さんは?」

「今、警察の人と話しているわ。お父さんも背中が痛いらしいけど、元気よ」


母も父も元気そうだ。ということは、一番ひどいのは私の体?

どんな状態なんだろう……見てこようかな。


「楓花、ダメよ。もうお医者さんが来るから待っていなさい」

「あ、うん……」


少なくとも1日くらい寝ていた気分だったが、実際はたったの二時間。

診察は簡単に終わった。一応聴診器を当てて、脈ははかっだけど、問題はないらしい。

とりあえず背中を打っているからと湿布を貼られて、痛み止めも処方するから会計が終わったら薬局に行くように言われる。

会計と薬局へは祖母が行ってくれた。

その間に私と母は隣の病室に行く。


「まだ目が覚めないわねー。おでこを打っているからレントゲンは撮ったんだけど異常は見られなかったのよ。昨日、遅くまで起きていたみたいだから寝不足なのかもね」


寝ている自分を見るのは不思議なものだ。母が言うようにおでこが赤くなっている。
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