遠回りして気付いた想い
店内をキョロキョロと見渡すと、色とりどりの服小物達が、ところ畝ましと並んでいる。
凄い、目がチカチカする。
「う~ん。これ、亜耶ちゃんに似合いそう。試着してみて」
由華さんが、清楚な、淡いピンクのワンピースを手にして私に見せてくる。
えっ?
「ほらほら、早く」
由華さんに背中を押されて、試着室のあるコーナーに連れてかれる。
これ、着ないと出れないってことだよね。
私、この色着たことないっていうか、遠ざけていた色なんだけど…。
何て思いながら、戸惑いながら袖を通した。
「亜耶ちゃん、着替えた」
外から由華さんの声がかかる。
「……一様、着替えました」
そう返すと、由華さんが中に入って来た。
少し離れてみながら。
「うん。やっぱり似合うね。あたしの目に狂いはなかった」
由華さんが、自画自賛し出す。
えっ、似合ってるんですか?
否、だって私には似合わない色のはず……。
そう思っていたら。
「雅くん、ちょっと来て」
由華さんがお兄ちゃんを呼んだ。