遠回りして気付いた想い
教室に入ると、亜耶達三人が話していた。

「いいよ。亜耶の意外な一面が見えたから……」

って声が聞こえてきた。

「あれじゃあ、悠磨くんの入る隙なんかないよね」

憐れている感がするんだが……。

そんなにか?

そんな中にオレは。

「おはよう、亜耶」

と声をかけた。

「おはよう、悠磨くん」

亜耶が、振り向き様に返してくれるが、どことなくぎこちなく感じるのは、オレの気のせいか?

「昨日は、ごめんね」

亜耶が、申し訳なさそうに言う。

そんな顔するなよ。

今にも泣き出しそうだ。

亜耶には、笑ってて欲しいのに……。

「何の事?」

オレは、惚けるように答えた。

何で亜耶が、謝ってきたのかわかったから。

「ほら、席につけ。授業を始めるぞ」

その時、講師が入ってきて、話が途切れた。
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