コクリバ 【完】
「ごちそうさまでした」
割り勘で、って散々言ったけど、洋祐先生は受け取ってくれなくて、結局奢ってもらった。
「しばらく歩きませんか?」
「……はい」
奢ってもらった手前すぐに帰る訳にもいかなくて、洋祐先生の後ろをついていく。
黙って歩くこの空気が余計なことまで考えさせる。
川沿いの土手を上流の方向へと歩いて行く。
ずっと黙っていた洋祐先生が急に立ち止まり振り返るから、私の心臓がドキリと動いた。
「寒くないですか?」
「はい。大丈夫です」
それは、一瞬だった。
洋祐先生の口角が上がったと同時に、一歩近づいた洋祐先生が私の右手を取った。
洋祐先生の左手が私の右手を包み込んでいる。……温かい手の感触が右手に広がる。
「……」
「……」
何も言わないで、見つめ合った視線をフッと外すと、そのまま前を向いた洋祐先生が歩き出す。
あのキャンプの朝、霧に包まれて二人で歩いた時のように……
割り勘で、って散々言ったけど、洋祐先生は受け取ってくれなくて、結局奢ってもらった。
「しばらく歩きませんか?」
「……はい」
奢ってもらった手前すぐに帰る訳にもいかなくて、洋祐先生の後ろをついていく。
黙って歩くこの空気が余計なことまで考えさせる。
川沿いの土手を上流の方向へと歩いて行く。
ずっと黙っていた洋祐先生が急に立ち止まり振り返るから、私の心臓がドキリと動いた。
「寒くないですか?」
「はい。大丈夫です」
それは、一瞬だった。
洋祐先生の口角が上がったと同時に、一歩近づいた洋祐先生が私の右手を取った。
洋祐先生の左手が私の右手を包み込んでいる。……温かい手の感触が右手に広がる。
「……」
「……」
何も言わないで、見つめ合った視線をフッと外すと、そのまま前を向いた洋祐先生が歩き出す。
あのキャンプの朝、霧に包まれて二人で歩いた時のように……