好きな人の弟を、利用した
「あの、みんな……仕事に……」

「真相を聞くまでは仕事なんて出来ませんよ!」

「そうだそうだ!」

と、じりじりと壁に追いやられる。

止めてくれる上司に助けを求めようとしても出張でいないし、男性達は『触らぬ神に祟りなし』みたいな感じで助けてくれないし、私はどうすれば良いのか困り果てていた。

が、その時━━。

「ちょっとそこ、退いてくれません?」

と言う声が聞こえて、私を囲んでいた女子達が、その声に一斉に振り向いた。

「あ……」
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