好きな人の弟を、利用した

激務からの飲み会からのライバル

「つ、疲れた……」

イスの背もたれに、ぐだっ……と寄り掛かる。

周りを見てみると、みんなもそんな感じだった。

佑くんを除いては。


今日の忙しさは、尋常じゃなかった。

来週を予定していた会議が明日に早まり、それの書類製作でてんてこ舞いだった。

佑くんがいなかったら、間に合わなかっただろう。

佑くんの技術とスピードがなければ、こんな時間に終わってなかったと思う。

殆ど佑くんのお陰だ。

チラッと佑くんを見ると、顔色一つ変えずPCに向かっている。

(タフだな……)

今日の夜、食事に誘おうと思っていたんだけど、どうしよう。

いくら平気な顔してるとは言え、疲れているだろう。
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