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1.夢見た恋愛



『ねえ、幸せになりたい。』





いつものカフェの角席で

またその話ー?
と言わんばかりの顔で
友人の朋美が見てくる。





「いいじゃん。あんた彼氏いるじゃん。結婚しろよ早く!」

『うーん。結婚ねえ~・・・』




こんなやりとりをもうこの数年間
一体何度しただろうか。










森下 咲希(もりした さき)



24歳。都内在住。



そこそこの大学を卒業後、
そこそこの中小企業で
そこそこの給料をもらいながら
そこそこの生活を送っている
ごくごく普通のOL。









『てゆーかさ、幸せって何よ?』

「え、なに。めんどくさいこの子!」







こんなありふれた生活の中で
最近ふと考えることがある。





『私の求めていた'幸せ'って何?』








あれはもう15年ほど前・・
(もうそんなに前になるのか・・)





恥ずかしがりやで奥手な
小学生だった私にも
理想の恋愛像たる夢があった。




中学生、高校生になったら
好きな男の子に告白して
付き合うことになったら
放課後一緒に帰って~
手とか繋いで~
キスとかもちゃったりして・・


キャーーーーー//////!!

(※ピュアな小学生でした)








好きな人のこと考える
それだけでドキドキして
なんか楽しくなってしまう。



さすがにそれは
若すぎた夢だとして




顔はそんなに良くなくても
それなりに経済力があって
優しくて人の気持ちがわかる人と
温かくて楽しい毎日がいい。


普段は温厚だけど、
いざとなると男らしくて
夜はドSでたくさん
いじめられたい!

浮気や不倫は許せない!
そんなのテレビの中の話でしょ?


そんな大雑把な理想と妄想を
女友達と会っては
「こんな男」「あんな男」
なんて話してたこともあった。




いつからだろう。



幼い頃の夢物語も
若き理想妄想論も
語らなくなったのは。




ただ、現実の世界の中で
目の前にぶらさがっているだけの
物事を淡々とこなし、
その中で落ち着くところに落ち着く。
上手くいけばいいなと思っては失敗。






恋や愛に
夢もロマンも失いかけてる。







私が本来望んでいたものとは
一体なんだったのだろう?






そんな戯言をまるで
口癖のように呟く
どこにでもいるOLのお話。




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