Those who met those lost(失ったもの、出会ったもの)

**見える目 わからない記憶


その後、杏は、
診療所の先生の
カルテや紹介状を使って
検査が行われた。

やはり、内蔵には問題なく
切り傷も、打撲も
殆ど完治していた。

足は、
「診療所の先生の
判断が良かった」
と、大学病院の先生は言った。

「判断が遅ければ、
今より酷い状態になっていた。」
と、言われ
それから、
「目の方は、手術をしたら
見えるようになります。」
と、言ってもらえた。

足の方は、リハビリを初め
目の手術は、明日おこなわれることに
なった。

目の手術も無事に終わった。

足の方も、杏が
「自分の足にあった義足にしたい。」
と、言ったので
そうすることにした。

だが、杏の記憶は戻らず
無い足の痛みに
苦しんでいたが
それも、杏は独自の力で
緩和していった。

優愛も、尚子から連絡を貰い
病院に何度も足を運んだ。

杏は、優愛にはなんの反応もなく
普通に友達になっていた。

杏の目の包帯が
取れる日に
圭吾、尚子、信吾、陵
優愛、圭が来てくれた。

杏は、まぶしい顔をしながら
何度も瞬きを繰り返し
皆を見回した。

圭吾や尚子
信吾、陵、優愛は涙を流し
圭は、固唾をのんで見守っていた。

杏は、皆を見たが
「目は、見えます。
だけど、ごめんなさい。
わからない‥‥‥‥」
と、悲しそうに言った。

皆は、
「「「「「杏の目が見えることが
大事なんだ」」」」」
と、言った。

すると、そこに
コンコン‥‥‥
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