Those who met those lost(失ったもの、出会ったもの)

**負けないくらい


杏と貴晃の式は、
圭吾、尚子、干菜
信吾、陵と
身内だけで、温かな式となった。

杏は、真っ白なウェディングドレスに
身を包み、父、圭吾と
バージンロードを歩いて
愛する、貴晃の元に。

貴晃も、愛しい杏が来るのを
待っていた。
圭吾は、
「貴晃君、くれぐれも頼むね。」
「はい、必ず幸せにします。」
と、言うと
お父さんは、私を一度抱き締めて
貴晃に渡した。

私達は、家族の前で愛を誓った。

姉は、
「貴晃さん、杏、
本当におめでとうございます。
貴晃さん、迷惑おかけして
すみませんでした。

杏、あなたを傷つけて
本当にごめんなさい。

杏が、頑張りやで
皆に気を使っていたのを
知っていたのに
八つ当たりしてしまい。
そんな、私の我儘で
杏の心も体も傷つけてしまい
私、どうしたら‥‥」
「お姉ちゃん、今日は来てくれて
ありがとう。
もう、何も思ってないし
あの時が、あったから
今、貴晃と一緒にいれるの
ありがとうお姉ちゃん。

わたしこそ、お父さん、お母さんを
独り占めして、ごめんなさい。」
と、言うと
姉は、私を抱き締めた。
貴晃も
「干菜さん、
本日は本当にありがとうございます。
杏と幸せになります。
干菜さんも幸せになって下さい。」
と、言うと

「はい、杏に負けないくらい
幸せになりまよ。」
と、言うから
皆で、笑いあった。
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