家族の絆
 更に、ナイジェリア政府に対して何かできないものだろうかと考えてみた。ともかくナイジェリアの日本大使館に連絡してみることにした。大使館の電話番号を検索してみると、10以上の番号が出てきて、いったいどこに連絡していいものか悩んだが、代表に掛けてみることにした。初めに取り次いだ女性は、用件を聞くなり総務課(General Affairs)のような所につないでくれた。次に出た男性はその件については担当のものに替わるからということで、別の女性が出てきた。どうも詐欺事件に巻き込まれてしまったようだとの話をすると、『事情を英文でこちら宛にファックスして欲しい』と、それだけの事務的な話をすると、『そのファックスを受け取ってみてどのように対応するか検討させてください』といって電話は切れた。ナイジェリアの日本大使館にもSAR銀行のダウナーさんに送ったものと同じものを送付した。

 ナイジェリアの日本大使館で、電話に出てきた人はおそらくすべての人が日本人だと思った。もちろんのことすべての会話は日本語だったし、その日本語のしゃべり方が外国人のものではないと判断したからだった。なぜ、こんなことを気にするかというと、余りにも事務的過ぎて、祐一から事情を一切聞こうとしなかった。『その件だったら、こうしてください』といった対応で済まされてしまったからだった。
 それに引き換え、SAR銀行のダウナーさんは、てきぱきと事務的なこともこなしながら、必要な質問を浴びせてきたのは、対比して考えると、大変印象的だった。
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