家族の絆
 最近、メールの内容も馴れ馴れしくなってきたように感じていた。それだけ、お互いに多少の親近感が沸いてきたことになるのだろうか?祐一自身、ジョーのためにできることはしてやろうと思うようになっていた。

 これに対して以下のように冗談ぽく、すごく投げやりな内容の返事を送った。
『5枚の証明書と登録書を注意深く読んだ。もし、あなたが正直なら、あなたの(ものになる)お金をわたしの口座に送金するのに、もうこれ以上の障害はないように思う。また、4人の担当者とは、どういうことでしょうか?贈り物についても全く知らないところに送りたくはないですね。ジョー、あなたのところへ直接送るから、あなたの住所を教えてください。
 それと、数千ドル事前に送ってください。送金後に電話してください。そのときの暗号は"yellow"です。あなたからの電話を待っています。これから出かけますし、こちらからは連絡しません』

 "orange"の替わりに、"yellow"というのも冗談の一環だった。見知らぬ相手でも毎日のように電話をしているとそれなりに気心が知れるようになるものだと思った。しかし、その夜には連絡がなかった。
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