家族の絆
 続けて次の日にも『証明可(Verification Okay)』というタイトルで新しいファックスが南アフリカから届いた。
『貴殿への支払契約は実行されることが証明された。送金するための書類を貴殿に代わって入手しそれを送った。契約総額USD30.5Mを貴殿の口座に送金(Electronic Transfer)するための最後の書類に署名するためにこちらにお越し願いたい。
 ともかく、おめでとうございます。今年はいい年ですね』

 その添付書類は南アフリカリザーブ銀行(South Africa Reserve Bank)の海外送金手続き用紙(Application for Overseas Transfer of Funds/Clearance)だった。それはともかく署名をするためにヨハネスブルグまで来てくれとは、困ったものだと思った。
 その夜、ジョーに話をしたら是非ヨハネスブルグに行って、すべてを早く終わらせて欲しいと懇願された。
 しかし、この時期、デジタル放送研究会の新たな二ヵ年が始まったばかりで、この関係の会議が立て続けに予定されていた。会議に参加するだけならその時間だけ最低いればいいわけだが、大半の会議の資料作りをやらなくてはならない。そのために南アフリカに出掛けられるような状態ではなかった。
 それに、著作権の調査のためにロスを訪ねることが決まっていたので、その予定を工面するのも四苦八苦の状態だった。
 ロバート(Mr. Robert Smith)にも電話をしたが、「今朝送ったファックスに書いたように、直ぐにでもサインしてもらわないと折角のお金がふいになるよ」と言い添えてきた。ただ、できるだけ、来なくて済むように考えてみるとの話で電話は切れた。

 とにかく、その書類に記入できる項目を埋めて、ファックスで送付した。
< 70 / 204 >

この作品をシェア

pagetop