家族の絆
 出張の準備で、この3日間はあっという間に過ぎてしまった。出張のことは、すでに、ユキに伝えてあったので問題はなかった。しかし、48時間経っても、送金がなされないので、そのことが気がかりだった。9月11日の一周忌に対して、テロを警戒するムードが再燃していたので、海外出張をその日より前に済ませてしまおうということになったのだった。
 翌日からロサンジェルスへ出掛けるという9月2日になっても、振り込まれることはなかった。祐一は催促のためにロバートに電話をしてみた。ロバートは、昨年の9月11日のことをしきりに話すのだが、細かなところでというか、専門用語を並べ立てるので、完全には理解できなかった。48時間以内で処理するといっていたが、話が違うではないかと喰って掛かったりもしたが、要領を得なかった。出張先での連絡先を教えて欲しいという話になった。アメリカ国内で使用する携帯電話を事前に頼んでいた。電話機そのものは、空港のサービスセンターで受け取ることになるのだが、タイミングよく、携帯電話の番号だけは既に連絡されていたので、それ(+1-201-923-3XXX)を伝えた。番号を伝えながら、祐一は少し違和感があった。
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