君の瞳に映る世界


「あ……着いちゃった、ね。

 今日は、本当にありがとう、里沙ちゃん」




逢坂くんは、ふわっと笑って、私にお礼を言った。




ありがとう、って……




「……それは、私の台詞だよ」




「え?」




私は、逢坂くんの目をジッと見た。




キョトンッとしている彼を見て、少し可笑しくなって、クスッと笑ってしまった。




「今日、すごく楽しかった。

 でも、多分1人じゃ部屋から出なかったと思うから……」




「里沙ちゃん……」




「だから……ありがとう、逢坂くん」




胸の奥から何かがこみ上がってきて、気づけば私は笑っていた。




ああ、こんなに自然に笑えたのは、久しぶりだなあ。




でも、まだ少しぎこちない、かな。




「……また、明日も行っていいかな」




すると、逢坂くんは、すぐにパアッと笑顔になった。




「もちろん!」




その時、私は一瞬だけ目を見張った。




彼の笑顔がキラキラと輝いていて、とても眩しかったから―――




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