君の瞳に映る世界


――パシッ




「え……」




誰かに手首を摑まれた。




顔を向けてみると、そこにいたのは……




「逢坂くん……」




ギュッと私の手首を握っていた彼の表情は、とても冷たかった。




こんな顔、初めてみた……




だけど、そんな事はどうでもいい。




「手、離してよ」




「里沙ちゃん、今何してたの」




「ねえ、離してってば」




「先に、僕の質問に答えて」



じっと、私から目を離さない彼に、私の方が折れていた。




「何って……見れば分かるでしょ。

 死のうとしてたの」




すると、ギリッと手首が痛んだ。




「いたっ……」




すぐに分かった。




逢坂くんが、力強く私の手首を握ったって。




何、怒ってるのよ。




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