世界のまんなかで笑うキミへ



…………そのまんま。


なんの面白味もない、ただの模写だ。




「信長は着実に天下統一に近づき……」



ノートの絵から目を離し、前を向く。先生は相変わらず淡々と、偉人について語っている。


私は窓際の席でそれを聞きながら、ふーん、と心の中で相づちを打った。



天下統一だってさ。



先生が教えてくれる『日本の偉大なひと』は、成したことのスケールが大きすぎて、あんまりイメージできない。



日本を動かしたんだって言う。ひとつの国を。ひとりのひとが。


とてもじゃないけど想像できない。


日本史なんかでよく『勢力を伸ばす』なんて言うけれど、その勢力ってなんなんだろう。財力?軍事力?


だけどいずれにしろ、ひとつの国を動かしたんだから、よほど他人への影響力が強い人だったんだろう。


じゃなきゃ、誰もついてこない。


最終的に天下統一した豊臣秀吉だって、織田信長の部下だったって言うし。なんかちょっと信じられない。



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