冷たい男
第二章「関係の終わり」



「先生の事、ずっと好きでした……っ!」



「それで何だ」



「えっと……その、」



「お前の相手してる暇ねぇからじゃあな」



「先生――…っ!!」



月曜日を迎えた。

いつものように授業を受け、いつものように風岡のマンションへと帰ろうと思った。

風岡との帰宅時間を合わせてる為、図書室で時間を潰し、風岡のワン切りで読んでた本を返して、本校舎の昇降口へと向かう。

しかし、図書室のある東校舎の1階では、告白が行われて居た。

誰が告白したかはわからない。

でも、風岡が相手だとはわかった。

階段を上がり、2階の渡り廊下から本校舎へと入った。

それにしても、噂では耳にしてたけど、告白しても本当に冷たいんだ。

それでも密かにモテる理由は何?

冷たい王子とか黒王子とか言われてるのに、何でみんな告白してるの?

私が言えた義理ではないかも知れない。

だけど、他人事として捉えるとそう考えてもおかしくはないだろう。

…何が良くて……。

わかってる。

本当は嫉妬だと言う事は。

私だって風岡が好きで今日まで来たんだ。

告白してた子の気持ちもわかるから、否定的な考えで誤魔化そうとするんだ。

この1年で、風岡は何か変わった?

お泊まりが許されただけ。

合鍵を渡されたわけでもない。

私物を隠して置くしか許されてない。

私も、土曜日に忘れ物しようか?

シュシュでも何でも良いから。

でも、そうすると私の事は突き放すんだろう。

風岡はそんな人だ。
< 17 / 53 >

この作品をシェア

pagetop