春、さくら、君を想うナミダ。[完]
放課後、あたしはハルくんといつもの場所で過ごしていた。
静かな湖畔のベンチに座って、遠くを見つめる。
夕日で赤く染まる秋の空を見ていたら、切ない気持ちで胸がいっぱいになった。
まだ幼い頃、怒られるとよく家を飛び出して、
夕日を見ながら泣いていたことを思い出した。
あの頃は、
大きくなったらもっと強くなれるって思っていた。
なにも変わってない。
あの頃と同じ……あたしは弱いままだ。
「……ら?さくら?」
彼に名前を呼ばれていることに気づき、ハッとする。
「あ、ごめんね。なに?」