春、さくら、君を想うナミダ。[完]
逃げたいって思っても、
どこに逃げたらいいのかわかんない。
逃げる場所なんて、
どこにもないのかもしれない。
この狭く息苦しい世界は、いつまで続くんだろう。
涙でにじむ赤い夕日を
あたしは
ただ見つめていた。
――ねぇ、ハルくん。
こんなあたしだけど、あの約束だけは……
『じゃあ……俺のそばにいて。これからもずっと』
『それだけでいいの?』
『それがいちばん大切なことじゃんか』
あの約束
ハルくんとの約束だけは
守ろうとしたんだよ。
――あの日までは。