春、さくら、君を想うナミダ。[完]
教室や廊下に彼の姿はなかった。
もう帰っちゃったのかな。
彼のケータイに電話をかけても出なかった。
どこにいるの……?
いますぐ、ハルくんの顔が見たいよ。
あたしは階段を下りていく。
「麦田さん、カンニングとかありえないよね」
「最低だよね~」
「普段おとなしいのに、やること大胆ていうかさぁ」
「ホント、なに考えてるかわかんなくて怖~い」
クラスの女子たちが下駄箱の前で話しているのを見て、
あたしはすぐに引き返した。