春、さくら、君を想うナミダ。[完]
家に帰りたい。
お母さん、あたしを迎えに来て。
『どうしたの?』
「……助けて」
助けて……お母さん。
迎えに来て……。
『え……なっ……ちょっ……』
お母さんの声が急に途切れ始める。
『……声……小さくて聞こえ……ずらいんだけど』
電波があまりよくない場所にいるのだろうか。
あたしは立ち上がって、呼びかける。
「お母さん?」
お母さんの声が聞こえず、ゴーッという音だけが電話から聞こえてくる。