春、さくら、君を想うナミダ。[完]
ここから飛び降りたら死ねる。
一瞬で、この悲しい世界を終わらすことができる。
すべて終わる。
苦しみも悲しみもない世界に、あたしは行くんだ。
震える息を吐き出して、そっと瞳を閉じると、
ハルくんの顔が浮かんだ。
最後に嘘をついてごめんね。
本当の気持ちは、言えなかったけど。
本当は、本当はね。
「大好きだったよ……」
小さな声でつぶやいたあたしは、ゆっくりと瞳を開ける。
空から舞い降りる粉雪とともに、あたしは消えよう。