春、さくら、君を想うナミダ。[完]
――それから3日後。
今日の夜、花火大会が行われるという。
夕方の6時半を過ぎたところだった。
あたしは自分の部屋の鏡の前で、
何度も前と後ろ姿を確認する。
「ヘンじゃないかな……」
薄ピンク色の桜柄の浴衣に身を包んだあたしは、
いつもは下ろしたままの長い髪を、ゆるくおだんごにした。
部屋の時計が目に入る。
「えっ?もうこんな時間っ」
部屋を出たあたしは、急いで階段を下りる。
慣れない下駄を履いて家の外に出ると、彼が迎えに来てくれていた。