雨と花
「清川海さんね。どうぞよろしく。」

「よろしくお願いします。」

私の名前は、両親がつけた。
いかにも水が好きそうな名前でしょ。
海のような広い心を持った子に、、って。
ママも水泳が好きだった、、海が大好きだった、、
家族でよく海やプールに行ってたな、、。

おっといけない。
私は急いで目をこすって、担任の先生のあとをついていく。
さすが都会。校舎がきれいだ。
学校が広すぎて教室覚えられるかな。

「ここが教室よ。」

ー2年2組
ああ、やっぱり少し緊張する。
教室からはガヤガヤと生徒たちの声。
先生につられて私も騒がしい教室にはいる。

「みなさん今年も同じクラスでよろしくね。まず転校生を紹介します。」

クラス替えがないなんて、、
本当最高。
ここにいるみんなは1年も一緒に過ごしてる。
そこに溶け込むなんてなかなかのものだ。

「清川海です。今日からこの学校でお世話になります。どうぞよろしくおねがいします。」
ーパチパチ
拍手はしてくれたけど、みんなだるそう。

席についてプリントが配られた。
「明日までに選択科目を決めておいてください。」
選択科目。
前の学校ではずっと音楽を選択してた。
これが私にとっての再スタートなのだ。
ここにきたら音楽は絶対にやらないと決めていた。


だけどプリントを見た私は呆然としてしまった。

「なんで、、?」

思わず小声でも声がでてしまった。
音楽が必須科目だったからだ。
こんなことに呆然とする人なんてそうそういないと思うけど
私にとっては一大事だった。

まだ動けない私にはお構いなしに
ホームルームの終わりのチャイムが鳴り響く。
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