あ、あ、あ愛してる
花音へ
花音と別れた後、俺は拓斗と奏汰にメールし留学したい旨を伝えた。

拓斗は「そうか」とポツリ呟き「待って……」言いかけて押し黙った。

「バカか、お前は。ヴァイオリ二ストとしてやっていけるチャンスがあるのに、クラシックでやっていける実力があるのに、ちっぽけなバンドで歌うことなんて考えるな。喉を治すとかボイストレーニングとか……俺たちはお前の足枷にはなりたくない。お前がヴァイオリンを本気でやりたいなら余計なことを考えるな。とっとと留学しちまえ。ニューヨークに行ってしまえ」

奏汰が声を荒げて、俺を睨みつけた。

「お前とは住む世界が違う――デュオコンサートのお前のヴァイオリン演奏を聴いて思った。お前はヴァイオリ二ストになるべきだ」

拓斗が俺から目を背け、冷たく言い放つ。

『俺は歌いたいんだ、ヴァイオリン弾くより歌いたいんだ。喉を治して、歌えるようになって帰ってくる。必ず』

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