真夜中のアリス
「あした」であーちゃん。
というのも、あーちゃんの両親のウサギの名前がミライとノゾミだったから、希望に繋がるような名前を付けてあげたくてこの名前になったのだった。
「ずっとあーちゃんが大好きだった!あたしたちは何時でも一緒だった!それなのに…」
小さな赤ちゃんウサギ。可愛くて大切で守ってあげたくてずっと一緒にいた。
そんな時に、迎えたあたしの5歳の誕生日。お姫様が大好きだったあたしに贈られたのは、不思議な世界をウサギと共に巡る可愛い女の子のお話の絵本。すぐにお気に入りになって、毎夜あーちゃんを抱き寄せママにおねだりして繰り返し繰り返し読んで貰った大切な物語。
だからよくあたしは、こんなことばかり話していた。