【続】興味があるなら恋をしよう
★★
一度囚われて終った心は、思いが成就されなければ、本当の意味での解放は無いのかも知れない。

女性の涙は毒だ。
悲しくて辛そうな顔は中毒になる。

シングルベッドに二人。
横向きに正面から抱き合った。
慰めでもなく、無感情でも無く。
互いに好きを言葉にした。
欲しかったモノだ。
それ以上何も要らない、何もしない。
…何も出来ない。

今だけ。
心の存在を確かめ合うよう、ただ抱きしめ合った。
背中に回した腕は心も身体も、全部…強く抱き寄せた。

フ…。よく寝返りをする。
よく、動く。
左手は俺の右肩に、鎖骨の辺りに自然と触れる頬と唇は、無邪気に眠りについている証拠。

思いを口にして終った…。
これでソフレ関係は最後になる、だろう。

思うところはある。
求めても無理なモノは諦めるしかない。

諦めるか…。
それとも少し違う気がする。

見守る。
それはおこがましい気もする。

だけど、それに近い気持ちになれたら、ベストなのかも知れない。
藍原が選んだモノは課長、…結婚。


「…起きてるか?」

「…は、…い」

きっとまだ、思考回路は繋がり始めたばかりだ。
胸に息がかかる。
はぁ。こういうの、一々感じ取っていたら苦しくなるばかりだ。

「部屋の家賃…もう来月迄入れてるのか?」

「えー…と、はい。確か、はい」

そうだよな。
残りは40日程度ってことか。

「来月一杯…これ、おいとくか。始末は俺がしとくから」

少し上から声をかけた。

「えっ?でも…」

藍原が下から顔を向けてきた。

「…いいから。俺に任させとけ、な?」

「フフッ。なんか変な言い回しですね」

「わざとに決まってるだろ?させて欲しいってお願いしてるんだから」

「フフ、そんなにしてまでしたいなら。いいですよ、ではお願い致します」

「ん」

「はぁ…」「はぁ…」

二人してついた溜め息…。
この溜め息は、なんだろうな…。
解ってるのは…解ってる。藍原だってきっと同じだ。

藍原を更に胸に抱き込んだ。
ドキドキするのは承知の上だ。
このまま俺のモノになってしまえ。
…なんて、言えてたら、どんなにか楽だったんだろうなぁ…。あぁそれも、もっと早くにだ…。
…欲しい答えが貰えていたかは、また別だけどな。
不確かだったとはいえ、好機は何度もあった。
与えられた機を逃したのは…俺なんだ。
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