天神学園の問題児再来
こう考えてはどうか。

『吸血鬼の花嫁などという後ろ指差されるような身分より、ユグドラシェルの血を引く偉大なる勇者の孫としての人生を送る方が、花龍にとって幸せ』

その事を選び、諦めたのだと。

…あれだけの不遜な吸血鬼が、そんな考えに至るかどうか。

あくまで花龍の仮説に過ぎない。

ヴラド本人に確認した訳ではない。

だが、花龍がシオンの事を考えて彼の求婚を断ったように、ヴラドも身を引く事を選んだとしたら。

混乱が生じる前に終息して一安心したような気がする半面、何か引っかかるものも感じる。

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