天神学園の問題児再来
何とか紫陽花らを先に帰らせた真太郎。

彼は徐に席を立つ。

階段を昇り、向かった先は夕暮れの校舎屋上。

「……」

腰に帯びた刀に手をかける。

柄を握り締めたのは、いつもの狂奏丸ではない。

普段、勝負を挑まれた時には絶対に抜刀する事のない、もう一方の愛刀。

…いや、愛刀と呼ぶのは相応しくないかもしれない。

真太郎はこれを愛用せず、刀の方も真太郎を主として認めていない節があるのだから。

刀の銘は『川蝉』という。

先代夕城流宗主・夕城 翡翠の愛刀。

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