天神学園の問題児再来

夕暮れの帰り道には気を付けて

着替えを済ませ、校門を出る頃には日が傾きかけていた。

「紫陽花はいいよな、着替えなくて済むから」

黒髪をタオルで拭きながら歩く紫陽花を見ながら、シオンが言う。

「シオン君も水着で来ればいいんだよ、涼しいし」

男の水着姿なんて、誰得?

「それにしても遅くなりましたね…皆さん、早く帰らないと」

潜入任務の為の仮の職務とはいえ、リプニーが教師らしく下校を促す。

「いかんぜよ、龍虎軒に寄って飯を食うがじゃ」

龍馬が腕組みする。

「ま、まぁそれは別の機会でいいじゃないですか…」

「でも、思い立ったら吉日とも言うし」

紫陽花がニパッと笑う。

「私も、お祖母ちゃんに早く紹介してあげたいです」

花龍でさえもそんな事を言う。

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