天神学園の問題児再来
什么,这个零头的剑(何だ、この半端な剣は)

それが、龍馬の蜻蛉の構えに対する黒爪の評価。

即ち現在の龍馬の実力。

「くそっ…」

暗がりの中で1人、龍馬は毒づく。

シオンと真太郎は、黒爪を押していた。

花龍は機転と銃捌きで黒爪に対抗した。

リプニーは不屈の闘志で黒爪に一矢報いた。

ヴラドの強さは言うに及ばず。

自分だけ。

自分だけが何もできていない。

幼いシャンリーや麗龍と一緒だ。

まるで戦力になっていなかった。

「わしはいつまで弱いがじゃ…」

ゴッ!と。

壁に拳を叩き付ける。

ジンジンと伝わって来る痛み。

血が滲む。

それが、己に対する罰のように思えた。

それは、丹下の血筋の者への試練なのか。

丹下の姓を持つ男子には必ず立ちはだかる、『弱さ』という壁。

思うような強さを得られないという、嘗ての丹下男子達も苦悩してきた壁。

しかし同様に、嘗ての丹下男子達は、必ずこの壁を乗り越えて大成してきた。

時代時代の差異はあれど、天神学園の高位に君臨する強さを得てきた。

果たして龍馬はどうなのか。

彼もまた、『丹下の血筋の男子』なのか。

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