天神学園の問題児再来
「本当にやる気か」

龍鷺郎が紗雪に訊ねる。

「妾に二言はない。お前に吠え面かかせてやるわ」

腕組みして、紗雪は一歩も退かない構え。

「紗雪ちゃん」

花龍が声をかける。

「紗雪ちゃんは不愉快に思うかもしれないけれど、私もこの勝負は龍鷺郎の方が有利だと思うの…鴉天狗は速さ自慢の妖怪だって聞くし、何より龍鷺郎には…」

「分かっております天使様。『時凍え』であろ?」

花龍の言葉尻を拾う紗雪。

先日相対した折、龍鷺郎の時凍えの脅威は身を以って経験している。

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