天神学園の問題児再来
蜻蛉の構え!

鋭い踏み込みから放たれた渾身の一撃は。

「ぐぅぅうぅぅぅぅうっ!」

辛うじて受け太刀したにもかかわらず、受け止め切れずに微かに真太郎の肩口を斬る!

それでも威力を殺し切れず、軸足が滑り、リング端まで押されていった。

あと少しで場外転落するという所まで。

「……!」

息を飲む。

面食らう。

龍太刀の銘刀ぶりもあるだろう。

だがしかし、この一撃の威力は、龍馬自身によるもの。

ひたすら愚直に、蜻蛉の構えのみを磨き続けてきた龍馬の力。

元より彼は、ついこの間までこの技しか知らなかった。

蜻蛉の構えのみを鍛え続けていたのだ。

1つの技を磨き続ける事は、他の小技を無用とする。

それを体現したのが、龍馬だったのだ。

< 744 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop