天神学園の問題児再来

紅葉、色褪せる

放課後。

シオン一味の誰とも交わる事なく、紅葉は1人下校する。

仲間達と語らう事も、反目し合う事もない。

誰かが言った。

『好きの反対は嫌いではなく、無関心である』と。

これまで紅葉は、シオン一味の事が嫌いだったのかもしれない。

馴れ合い、ベタベタし合い、群れる連中。

あの在り方が嫌いであった。

が、今は違う。

無関心。

もう夕城流次期宗主に興味はないし、次期宗主になるであろう真太郎も、その想い人である紫陽花も、興味はない。

関心を持たなくなってしまった。

まさに無関心だった。

< 991 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop