恋する5秒前~無愛想なキミと~
◇気持ちに気づいた時

私の風邪もすっかり治り、季節は変わり10月に入った。


休み明けの月曜日の昼休み。


香奈と二人で食堂のカレーライスを食べていた。


「ねぇ、環。来週は球技大会が始まるね」


「そっか、もう来週なんだぁ。まだまだ先だと思ってたけど、あっという間だったね」


「でも、放課後の練習はけっこう楽しかったよね。環も練習に参加出来たしね」


「うん、練習に参加できたのは里美ちゃんのおかげだよ。私も真央ちゃん達と練習できて楽しかったよ」


私はお茶をひと口飲みながら、香奈の意見に頷いた。


今年は球技大会の練習にどうしても参加したくて、里美ちゃんに相談したら週に2日ほど練習に参加できるようになったんだ。


クラスの女子の何人かと一緒に練習したおかげで、更に皆と仲良くなれた気がするんだ。


「ねぇ、環。瀬戸ちゃんとバレーの練習をする予定はどうなったの?」


そう、あれはちょうど半月前。


瀬戸君から連絡があって未来や翔を連れて大きな総合公園でバレーボールの練習をする予定だったんだ。


だけど、私がその前に学校で熱が出て倒れたりして、行けなくなったんだ。


「瀬戸君と予定が合わなくてキャンセルになったんだ」


「そっか、瀬戸ちゃんはつくづくついてないなぁ」


話を聞いて苦笑いをする香奈。


瀬戸君と一緒になにかをしようとすると、必ず邪魔が入ってくるんだよね。


どうしてなのかなぁ?

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