恋する5秒前~無愛想なキミと~


他のクラスは静かだったけど、ウチのクラスはかなり気合いが入っているなぁ。


私は中へ入ると自分の席へ座った。すると、


「おはよう!環。いよいよ始まるね」


香奈がタオルを肩に掛けたままやって来た。


「おはよう!香奈。ずいぶん気合いが入っているじゃない?」


「私、緊張してたのか今朝は早く目が覚めちゃった、あはは」


「えっ。香奈もそうなの?私も早く目が覚めたんだ」


やっぱり、私達は似た者同士だ。


「ねぇ、環。私達ってよく似ているよねぇ」


「うん、ほんと。そうだよねぇ。あっ!そうだ、今日の朝、流れ星を見たんだよ」


「ええっ、流れ星?良いなぁ」


「だから私、流れ星にお願いしたんだ」


「環、なんてお願いしたの?」


身を乗り出しながら聞いてくる香奈。


「言ったら願い事が叶わなくなると困るから、言わない」


「なにそれ?環のケチ……」


私に許否されて、頬を膨らませて怒る香奈。

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