恋する5秒前~無愛想なキミと~

決心してから1週間後。


週末の金曜日。


今日は里美ちゃんの仕事がお休み
で、未来達のお迎えに行かなくていい日なんだ。


今、私がいるのは学校から10分程歩いた所にある小さな公園。


時刻は夕方の4時を過ぎた頃。


私はベンチに座って瀬戸君が来るのを待っていた。


「ごめんね、水野さん。待たせちゃったね」


瀬戸君は走ってきたのか、額に汗をにじませていた。


「ううん、こっちこそ部活の練習で忙しいのに呼び出したりして、ごめんね」


「いや、俺は水野さんの方が大事だから、部活の練習なんてどうでもいいし」


そう言って照れ笑いをする瀬戸君。


優しく笑う彼は、本当に王子様みたいに格好いいな。


って、見とれている場合じゃないよね。


今日は瀬戸君に大事な話をしなければいけないんだから。


「それで、水野さん。話ってなに?」


瀬戸君から言われて、私の胸がドクンと大きく鳴った。


ちゃんと上手く話せるかな?


一気に緊張感が高まった。


< 233 / 297 >

この作品をシェア

pagetop