俺様上司に、跪いて愛を乞え
なるべく無難な服を選ぼうとする私に、

「こっちの方がいいだろ」

と、大胆な服を薦めてくる。

「そんなの…着れないです…」

拒むのを、

「いいから、着てみろよ」

と、押し切られる。

断り切れなくて、試着をすると、

「それでいいから」

と、部長は言い、清算を済ませてしまった。

「こんなの…恥ずかしい…です」

着たこともないような服に、落ち着かなくも感じていると、

「おまえが思うより、ずっと似合ってるよ…」

言って、

「俺の方が、落ち着かなくなるくらいに…」

と、視線をはずして、ハンドルをつかんだ。
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