腹黒エリートが甘くてズルいんです
そんなことよりも、迎えに来てくれた酒井君の車が想像以上に高級車の類いで軽く引いているあたし。
何このふかふかのシート。

……そりゃそうか。
松永物産だもんね。自ら口にしたことはないけれど、頭もよかったしきっとエリートコースなんだろうし。


まぁ、いいんだ。あたしは今日しっかりと報告をして、すっきりするんだ。


4月から、転職までは行かないけど、新しい環境で自分のやりたかったことに少し近づくような仕事をすること。

結婚は出来なかったけど、あたしは概ね幸せであること。(決めつけるのは早いけど!)


……ついでに、酒井君と出光先輩がどうして知り合いなのかも聞ければいいけど。いや、聞きたい。


「……しゃーねーなぁ。とりあえずここである程度話しておくか」


酒井君が、握りやすそうなちょっと太めのハンドルに顎を乗せ、呟くように言う。


「……なに?」


「お前さ、俺とイデミッツーの繋がりを不思議に思ってるだろ?」


急に核心をつかれ、びっくりする。
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