腹黒エリートが甘くてズルいんです
「……気を付けます」


「おうよ。無駄な火遊びしてる暇なんてないもんな」


耳が痛いお言葉で。
そうね。
あたしには時間がない。35歳で幸せになるんだから。例えば、合コンで会ったよく知らない人と一夜の過ちとかを犯している場合じゃないんだ。


朝起きたら知らないベットの上でぽかーん、だなんて、ドラマとかではお相手は大抵イケメンで、それから発展しても構わない相手だからいいのであって。実際そんな目に逢ったら恐怖と、自己嫌悪でおかしくなってしまうに違いない。
そんな目に遇わないためのポイント? 秘策? を、しっかり教えてもらわなくては。

「8、9、10……」


酒井君が何やら指折り数え出す。
そんな仕草は前にも見たな、と思い出し、聞いてみる。

「もしかして3月までの月数、数えちゃってる?」


「そ。あと8ヶ月しかないのなーやばいよなー。俺も仕事忙しくて作戦会議までにこんなに掛かっちゃったけど」


やっぱりこれは作戦会議だったのか。
申し訳ない。親族でもないのに、あたしの行く末を心配してくれて、酒井君ってば本当に優しい。


「そうだよね、忙しい中時間を作ってくれたんだし、ちょっと、なにかを学びとって帰るから!」
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