腹黒エリートが甘くてズルいんです
反射的に酒井君の背中を擦り、道の端っこへと誘導する。


あぁ、ここ何区だっけ? とりあえず、いいやもう、この地域の人ごめんなさい! なるべく汚さないようにしますから!!


酒井君が中腰になり、壁に手をつく。


普通に喋ったりしてたのに、ゲロとか吐いちゃうタイプなのね、この人。
当たり前だけど、そんなこと知らない。だって中学生の頃の友達だもん。一緒に酔っ払った経験なんて無いもの。


「だ、大丈夫……?」


急に黙り込む旧友に、あたしがしてあげられることなんて、とりあえず背中をさするくらい。


意外と筋肉質の身体に驚く。
イケメンなのは知っていたけど、当然、身体に触れたこともないから、いつからこんなに筋肉質なのかは知らない。


……あったかい。


「仲田……」


「何? 大丈夫? お水でも買って来ようか?」


うん、と言ったのかもしれない。
とにかく、酒井君が何か小さな声で言った気がして、思わず顔を近づけ、耳を寄せる。
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