金魚の見る夢
待ち合わせは、駅構内に有る謎のオブジェ前。

ツヤツヤと光るステンレスパイプがイビツに歪む焦げ茶の直方体に絡み付いている。

何をイメージしているのか良く解らない。

その前に、足を肩幅に開いた美女がいる。

肩も露な濃いブルーのワンピースから伸びる手足はすらり。

随分前からこちらに視線を向けているが動こうとはしない。

オーラが『待ち合わせはココだからソッチがココまで来い』と言っている。

真奈美らしい。

彼女がこの会、最後のメンバーである。

「やほ。」

肩の高さまで軽く右手を挙げると、真奈美はクイッと首を傾げる。

可愛いじゃねーかこのやろう。

あっ、私は男女とも愛しますが、恋するのは異性限定なので誤解しない様に。

「時間ぴったり、所で二人付き合ってるの?」

ならんで歩く私と相澤を交互に見る真奈美。

「そこで会ったんだ、カップルに見えた?」

私は軽く相澤の腕に手を添えてみる。

「そんな訳無いね。」

あっさりと真奈美。

「そう俺、意外と嫉妬する質だから無理だ。」

あらそう。

「じゃあ、あたしはもっと無理ね。」

真奈美、科を作る。

「答えは保留。」

相澤、意地悪な笑顔。

「ばーか。」
「バーカ。」

あら、真奈美とハモってしまった。
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