感染学校~死のウイルス~
「あたしたちも一緒に行きます」


空音と2人で先輩たちの元へ駆けつけると、2人は驚いたように目を見開いた。


「危ないから、来なくていいよ」


祐矢先輩が優しい口調でそう言った。


そう言われると思っていた。


「先輩たちだけで行って何かが起きたらどうするんですか。あたしたちは先輩たちの後ろについて行くだけです。なにかがあった時、すぐに体育館の生徒に知らせることができるように」


あたしはそう言った。


祐矢先輩とアラタ先輩は目を見交わせる。


そしてあたしへと視線を戻した。


「わかった。それならついて来てもらおうか」


祐矢先輩が言う。


「でも、そのボールは必要ないだろうから、置いて来いよ」


アラタ先輩にそう言われて、あたしは自分の持っているボールを見下ろして小さく笑ったのだった。
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