飛べない翼
新米先生はふっ、と目を細めた。


「紫峰沙羅……沙羅……。じゃあ、さっちゃんで良いですかね?」


「……は?」


いきなりあだ名決定。


「これから毎日会いに来るから、僕のことも覚えてくださいね、さっちゃん?」


呆気にとられて私は新米先生の顔を睨んだ。


「だから僕のことを呼んでください。”新米”とか、”変な奴”じゃなくてね?」
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